実家滞在初日
実家は雑木林の中に立っていて、最近周囲の林を手入れしてもらっていた。ということで、ずいぶん周りがすっきり。ちょうどこの日は、大きくて周囲に電線もあるから1人では切れない木を、3人がかりで切りに来てくれる日だった。これが、普段見られない様子で、かっこいい〜!と窓から凝視。
まずは周囲の木にロープを渡して、切る予定の木の大きな枝とつないでおく。まず、これがすごい。目当ての場所にしゅっと錘のついたワイヤーを投げると、すごく高い場所なのに一発でかかった。そこにロープをつないで……とやっていたのだけれど、この時点ではなんのための作業なのか私からはいまいちわからなかった。
ひとしきり下準備が終わると、一人が切る予定の木に登っていって、まずは小枝を落とす。次に他の木からロープを渡してある大きな枝をチェーンソーで切ると、吊り下げられながら枝が下に落ちていく。その作業を何本か分した後は、太い幹の上から1mくらいをまずは切り、落とす、また1m切り落とすという作業を何回かやって、最後は切り株になった。このとき地上では、切られる幹に巻きつけたロープで落ちる場所をコントロールする人もいる。3人が持ち場で連携して、大きな木が1本、周りにぶつかることなく、きれいに切られた。
プロフェッショナルな技に見惚れると共に、木を切るって大変なことだなと改めて実感。屋敷林がどんどん切られ、多くの森が荒れ放題な日本の問題はさもありなんとも思えた。だって、大事で本質的な仕事ほど、手間も、お金も、かかるもの。都会の木を切る切らないで揉めている様子もよくみるけれど、ちょっと違和感がある。本当に大事なことは、暮らしの周りにある木々の手入れを続けられるか、人が木や林や森と関わり続けられるかどうか、ということだと思う。