『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』(犬山紙子著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
この本に関しては若干捻れた気持ちがある。私は女の子に生まれたし、女の子を育てているから、8割同意!みたいな姿勢で読むべき気がするのだ。だがしかし、たぶん幸運なことに、私は40年前に生まれたにも関わらず、かなりジェンダーバイアスから自由に育てられて、女の子に生まれて損をしたとか、辛かったとか、大変だとか、思ったことが極端に少ないのだ。人生で一度も痴漢に合ったことがないなんて、幸運すぎるらしいとは知っているから、もはや言い出しにくい。そんな変なコンプレックスがあるくらいだ。だから、1章2章は「女の子」にフォーカスしているからか、知識としては知っているけれど……という距離感で読んでいた。でも、3章以降は女の子かどうかはもはや関係なく、若年層と関わる人は知っておくべき!ありがとう教えてくれて!!という内容に満ちていて、大変勉強になった。
まず、海外の調査で、児童ポルノの9割は親がSNSに投稿した子どもの写真が使われていることを知って震え上がる。ストレスの少ない家庭を作る怒りの2つの代替「特権の停止」「タイムアウト法」はちゃんと覚えておきたい。ネガティブな感情が出てきたときに一旦立ち止まる「再評価」で、抜け出す方法も実践したい。と言いつつ、すぐ忘れちゃうんだろうなあ。覚えておきたいなあという気持ちで今これを書いている。でも、タイトルにはやっぱりモヤるなあ。だって、やっぱりこの内容、性別に関係なく読んでほしい……とこうやって悶々と考えさせられることも含めて、いいタイトルなのかもしれない。